チャートは市場の評価の履歴書
株 チャート
「友だちのオヤジさんが言っていたんだけれど株式の売買にはケイ線とかチャートとかを見ることも重要なんだってネ。そのケイ線とかチャートって何なの?」
「うん、ケイ線はね、1日とか1週間とかあるいは1カ月とかの問に実際に売買された値段を1つのグラフで表わしたものなのサ」
「いろいろ種類があるの?」
「一般的なものは2種類だね」
「1つはどんなものなの?」
「米国でもっぱら使われているバー、つまり棒型のものさ。これは高値と安値を線で結んだだけのもので、きわめて単純なものなのさ。でもネ、このバーを何本とか何十本とか時系列的に並べていくと、株価の過去の動きや流れといったものがわかり、それなりに将来の動きも予測できるというわけさ」
「もう1つは?」
「日本でもっぱら使われているローソク足だよ。これはね、バーチャートよりも数倍の情報が含まれているスグレ者なんだよ」
「どこがスグレているの?」
「ローソク足は、まず始値と終値を比較してどちらが高いかで区別されるんだよ。つまり、始値より終値が高い場合には“陽線”といって、始値と終値を結んだラインを“ワグ で囲み、白ヌキか赤色で塗りつぶす。
逆に始値より終値のほうが安い場合には“陰線”と呼んで、ワクのなかを黒く塗りつぶすわけさ」
「始値は、その日最初についた値段だから終値がそれよりも高い、つまり陽線になったということは明日も株価が上がりそうだという期待が持てるわけだよね」
「そうなんだ。逆に“陰線”が出ると、明日も下がるかもしれないと、その銘柄を持っている人は少々落ち着かない気分になる場合も出てくるだろうね」
「新聞の株価欄には、始値と終値のほかに高値と安値が出ているけど……」
「それはネ、その日あるいはその週の売買時間中についた最高値と最安値で、ローソク足では始値と終値の問を囲ったワクの上と下に一本の線(ヒゲと言うが)で示すんだ。もう少し細かく言うと、上のほうの線を上ヒゲ、下の線を下ヒゲと呼ぶんだ」
「なるほど。ローソク足を注意深く観察すると株価がその日にどれくらいの値幅で動いたか、値上がりしたのか値下がりしたのかなどが簡単にわかるわけだね」
「そうなんだ。だから、ローソク足はいまではキャンドル・スティック・チャートと呼ばれて外国でも使われ始めているそうだよ」「1日でも1週間でも1カ月でも、一つのワクと棒線で値動きが表わされるから、単純明解で便利なんだね」
「そうさ。1日分は日足、1週間分は週足、1カ月分は月足と呼んでいるが、場合によっては年足も使われるんだよ。いずれも始値、高値、安値、終値のいわゆる四本値で構成されているんだよ」
「そのケイ線が何本か集まってチャートと呼ばれているらしいんだけど、どのくらいの数があれば有用かなァ」
「そうだなァ。数が多いに越したことはないが、いちおう日足で200本、週足で100本くらい、月足なら60本(5年分)くらいはあったほうがいいね」
「どうして、そんなに必要なの?」
「チャートは“流れ”を観察することが重要なんだ。だから、ある程度の数がないと流れが読みにくいんだよ」
「どうして流れを読む必要があるの?」
「チャートはね、株価のうしろにある会社つまり株式を発行している企業の市場(マーケット)での評価でもあるんだ。企業は人間と同じような‘生きもの”と言ってよいから、時代や環境、さらに人気などでマーケットの評価が変わるんだよ。その変化を時系列で表わしたものがチャートなんだな」
「どうして、それが重要なの?」
「うん、株価を構成する基本的な要因は予想EPS、ROE、BPSといったファンダメンタルズ(基礎的条件)なんだが、それだけではなく需要と供給の関係、人気の消長なども除外するわけにいかないんだ。現在では、ファンダメンタルズ分析はもちろんのことだが、マーケットの評価を時系列で表わすチャートを分析する“テクニカル分析”も、株価分析に不可欠といわれているんだよ」「チャートって簡単にかけるよね」「うん、要領さえ覚えればね、あとは根気だけだよ。また、『ゴールデン・チャート』など市販のチャート集もあるから、それを買って勉強するテもあるね」
*ケイ緑 値動きを示す一種の棒グラフ。*チャート ケイ線の時系列の集合体。流れがわかる。カギ足、新値足、ポイント&フィギュアなど非時系列のものもある。
*ローソク足 形状によりローソクに見えるものがあることから、この名がつけられた。
*ゴールデン・チャート ゴールデン・チャート社が発行。大型書店では毎週土曜日午後から発売。定期購読もできる。インターネットでは(株)PHSなどがあるが、ほとんど会員制。
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