インド会社が“会社”の姶まり
株式会社有限責任
「株式とはそのうしろに株式会社があるのだってね。株式会社って何なの?」
「株券という有価証券を発行して不特定多数の人々から資金を集め、それを元手に事業を行ない利益をあげて、その一部を株主に分配したり再投資する組織体とでも言うかなァ」
「その株式会社が米国や日本でもたくさんあるのはどうしてなの?」
「会社には株式会社のほかに有限会社、合資会社、合名会社などの形態があるんだけど、そのなかで株式会社が最も合理的で優れた形態だったからだよ」
「どこが合理的で優れていたの?」
「第1に大金持ちからも小金持ちからも多数の人から分に応じて資金を集められる。第2は出資者、つまりいまでは株主と言ってよいのだが、資金を提供した人は自分の持ち分だけに責任がある“有限責任”だということ。第3は所有と経営が分離しやすいことだ。わかりやすく言えば、外洋を航海する大船を造るには多数の人から集めた資金で造るが、完成した船を動かすのは船長以下の乗組員だよね。船は出資者のものだけど、出資者が船を動かせるとは限らない。そこで、船を動かして物を運んで利益をあげるのは船長以下のプロにまかせようというのが、所有と経営の分離なんだよ」
「有限責任ってどういうことなの?」
「会社は生きものだから、何か事故が起きたりして死ぬ、つまり倒産することもありうるわけさ。そのときに、株主は自分の持ち分だけの損害を引き受ければ済むんだよ。倒産した会社にまだ負債が山ほど残っていても、株主はそれを返済する義務はないんだ。つまり責任が限定されているわけさ」
「株式会社の始まりは何だったの?」
「1600年にできた英国の乗インド会社か1602年のオランダの東インド会社が始まりだとされているよ」
「400年も前か。古いんだね」
「いや、400年前と言っても近代だよ。株式会社制度は近代世界最高の発明品の1つとも言われているんだよ」
「欧米や日本で株式市場が発達したから?」
「歴史的にはいろいろあるけれど、まァ、そうだな。それでも、世界最初の平均株価といわれる“ニューヨークダウ工業株30種平均”が登場したのは1928年なんだよ。ニューヨークダウの登場が近代と現代の分岐点と仮定すれば、株式市場の瀾代つままだ70年そこそことも言えるんだね」
「世の中どんどん変わっていくから、株式市場も変わっていくのかなァ」
「そうさ。日本でも1999年4月末にいわゆる“場立ち”さんたちが手ぶりで売買していた立会場での集団売買がなくなり、すべて機械によるシステム売買に変わったよね。これからもコンピュータや情報通信技術の発達につれていろいろ変わっていくだろうね」
「日本人は株式をたくさん持っているの?」
「いや、比率でみると米国人の7分の1程度だね」
「日本人はずいぶん少ないんだね」
「統計にもハッキリ出ているんだけど、日本人は貯蓄好きでネ。いわば“守り”優先型なんだ。これに対して米国人は少々のリスクは恐れない“攻め”優先型といえるよネ。その国民性の違いが株式投資にも出ているのかもしれないネ」
「為替取引などで、マネーが24時間地球上をかけめぐっている時代に、日本人は世界の動きに遅れてしまうんじゃない?」
「100万円の定期預金の利子が昼メシ食べただけで消えてしまうけれど、歴史上見ないような日本の超低金利は日本人を脱・貯蓄へと意識改革させようとしているかもしれない。貯蓄だけじゃなく運用も考えないとね」
*株式会社 株主で組織された有限責任会社。
*有限会社 営利行為を目的に有限会社法により設立された社団法人。合名会社と株式会社の中間的形態で、原則として社員総数は50人以下。
*合資会社 無限責任社員と有限責任社員とで組織される会社。*合名会社一社員全員が会社の債務について、連帯無限の責任を負う会社。*負債 他から資金や物品を借りること。債務。
*為替 隔地者間の金銭上の債権債務の決済、あるいは資金移動を直接現金の輸送によらず行なう方法。外国為替の場合、通貨の交換を伴うのが一般的。
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