大口売買用の立会外取引
大口売買立会外取引
立会外取引は、金融機関や事業会社などの大口取引や機関投資家などのバスケット取引を対象として1997年11月から開始された。
当初は、証券会社が同一条件の売り注文と買い注文を同時に発注する対当取引(いわゆるクロス)に限定されていたが、1998年6月末から電子取引ネットワークシステムであるToSTNeT(トストネット)−1が稼動し、完全システム化が図られるとともに、大口取引に関しては、対当取引以外に異なる証券会社間における相対交渉取引も可能となった。
取引単位は、大口取引の場合、株券で売買単位の100倍、転換社債券で額面1億円以上で、バスケット取引は15銘柄かつ売買代金1億円以上となっている。
取引時間は午前8時20分〜9時、午前11時〜午後0時30分、午後3時〜午後4時30分でいわゆる“前場”が始まる前、前場と後場の休み時間の大部分、それに後場の終わった大引け後の立会時間外が当てられている。
取引価格は、大口取引の場合、普通取引の直前の約定値段を基準として上下5%以内。バスケット取引の場合は構成銘柄の普通取引の直前の約定値段をもとに算出した基準代金から上下5%以内の金額と定められている。
売買契約の締結方法は、大口取引が対当取引及び相対交渉取引、バスケット取引が対当取引のみで、決済方法は両方ともに当日または4日目決済である。
ToSTNeT−1に続き、1998年8月からは個人投資家はじめ幅広い投資者層の利便性向上のために、売買立会における終値を対象とする終値取引(ToSTNeT−2)が稼動している。この終値取引では、取引単位が売買立会における売買単位以上、取引時間が午前8時45分、午後11時30分、午後4時の3回、取引価格は取引時間直前の立会売買終値、と大幅に簡素化されている。
この立会外取引制度は、事業法人などの大口売買による株価変動とそれによる市場全体への影響を軽減させようとのねらいがあるが、取引所での競争売買という原則を守りながら大口、小口とりまぜて幅広い投資者層のニーズに対応可能な売買制度が整備されたという点で、市場の幅と奥行きが拡大した形だ。
実際、この立会外取引制度の導入によって期末などに見られた“益出しクロス”がほとんど姿を消すようになった。
*立会外取引 原則として通常の立会時間外の取引。競争売買の原則下では円滑な執行が困難とされる取引が対象。
*対当取引1つの証券会社が同一条件の売り注文と買い注文を同日割こ発注する取引。
*相対交渉取引 異なる証券会社間で売買条件を交渉し、同一条件の売り注文と買い注文を同時に発注し合う取引。
*益出しクロス 事業会社などが主として決算対策のため簿価の低い持株を売った形にして株式売却益を出し、表面上の利益を大きく見せようとするための取引。
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