株主持ち分のもうけを示すROE
ROE株主資本利益率
株主持ち分のもうけを示すROE=株主資本利益率
ROEは株主資本利益率のことで、米国では銘柄選定の際のモノサシの1つとして古くから重用されてきたが、日本でも近年特にバブル崩壊以降、重要視されるようになってきた。
ROE(株主資本利益率)=純利益÷株主資本=EPS÷BPS
その基本的な算式は、税引きの最終利益÷株主資本である。企業が利潤追求のための事業活動を行ない、法人税などの税金を差し引いた正味の利益が株主資本に対してどのくらいの割合か、を示すもので、一般的には高ければ高いほど経営効率が良いとされており、一面では企業経営者あるいは経営陣の手腕の良否を計る“通信簿”と見ることもできる性格を持っている。
このROEは、簡略化すれば、EPS÷BPSで表わすことができる。具体例をあげると、1999年3月期のA社のEPS(1株当たり利益)が50円、同期末のBPS(1株当たり純資産)が500円であったとすれば、50円÷500円=0.1×100(%)、つまりROEは10%だったということである。
このROEl0%が高いのか低いのかは、金利と比較すれば、すぐわかる。1999年11月現在、日本の公定歩合は0.5%、長期金利の指標とされる10年物国債代表銘柄の利回りは1.9%前後である。異常とも言える超低金利が4年以上も続いているなかで、ROE10%をあげたA社の経営力はきわめて優秀と言ってよいであろう。
このROEが高ければ高いほど、株主の持ち分である株主資本が効率的に働いていることを示しており、一方で株主の付託に応える経営陣の手腕の高さを示している。
ただし、このROEも絶対的なモノサシというわけではない。使用総資本に対する株主資本の比率(昔流でいえば自己資本比率)がきわめて低い過小資本の会社や、赤字から黒字に転換し急激に収益力が改善された会社などは、一時的にROEがきわめて高くなるケースも散見されるからだ。
要は、ROEが継続的に市中金利を上回り(できれば3倍以上が望ましい)、安定して向上しているかどうかがポイントだ。2%そこそこの低水準にある。
記録的な好況を謳歌する米国経済と出口の見えにくい不況に苦しんできた日本経済では、企業の事業環境が天と地ほど異なるからストレートな対比は危険だが、米国の場合には少なくともROEの高さが、株式市場により多くの投資家を招き入れる原動力の1つになっているといえるだろう。
このほかに、PCFRやROAも投資のモノサシとして使われることがあるが、まだ一般的とは言えない段階である。PCFRは会社が使える現金収入であるキャッシュ・フローが1株当たりいくらになり、株価はその何倍かで割安か割高かを判断しようというものである。
*キャッシュ・フロー 純利益に減価償却費をカロえ、株主配当と役員賞与を差し引いた金額。会社が使える現金収入で、企業による操作がしにくく、実態をより正確に表わす。-----
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